事業紹介business

地質調査部門

水文調査

山地、中山間地や平地に降った雨は、一部は表流水として水系に流出し、一部は地下に浸透し地下水となります。これらは相互にやり取りしながら徐々に陸域を流下して河川、湖沼および海域に流入し、それぞれの過程で大気中に蒸発して再び降雨となります。この連続的な一連のサイクルを「水循環(Hydrologic Cycle)」といいます。
水文調査は、水循環過程のある部分での地下水および地表水に関する広範な情報を得ることにより、水の賦存・挙動・収支およびそれらの因果関係を明確にし、例えば地下水賦存量や建設工事などに伴う影響などを予測し、発生する施工的・経済的な諸問題を最小限に抑える事や、あるいは現実に問題が発生した場合の具体的な補償方法の検討などを目的に行われます。

水文調査には、多岐にわたる調査法が採られ、しかも長期間の調査・観測が必要で、目的および規模、調査段階毎に要求される内容・事項、精度などを充分に検討した上で行なう必要があります。

水文調査の対象事例

  • 土木工事に伴う湧水・渇水に対する安全性、施工法などの検討
  • 土木工事に伴う湧水・渇水問題など、環境保全や補償に関する検討
  • 地下水の揚水量および揚水施設(井戸等)などの検討
  • 地下水源開発と、適正な水資源利用の計画
  • 地盤沈下対策など環境保全に対する地下水の状態把握
  • 地すべりなどの防災計画・対策検討

対象地を現地確認するこの調査は、様々な目的で行われます。調査を行うためには、地質構造的な大局観(マクロ的な視点)と、地質現象や構造を細かく捉えるミクロ的な視点が要求されます。
このようにして得られた諸情報をもとに、土木・建築構造物などの設計・施工・維持管理管理に資する情報提供や、あるいは指摘・助言を行います。

斜面災害を未然に防ぐための、急傾斜地・落石調査、道路防災点検、あるいは既存土木構造物の維持管理調査なども、地形・地質を主眼とした調査を行います。

水文調査の構成

水文地質調査 資料調査、地表踏査、ボーリング調査(孔内検層を含む)、物理探査(電気探査・地温探査等)、水質調査(環境同位体調査を含む)、帯水層調査(透水試験、揚水試験、地下水追跡等)
水収支調査 降雨量、河川流量、地下水位、蒸発散量
水文環境調査 水源調査(湧泉、河川、ため池・湖沼・貯水池、井戸)、水利用調査(灌漑用水、上水道、簡易水道、工業用水)

水文調査結果の解析

地下水挙動の
シミュレーション
地下水浸透流解析、移流拡散解析、水収支解析(二次元、三次元)